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生地の評価測定

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アパレル製品は着用、着用後の運動(動作)、その後、製品に付着した汗、排気ガスや砂などの微粒子を洗い落とすために、洗濯を行います。さらに、アイロンでしわを伸ばして整形します。この一連の行為を長い期間繰り返します。
その間に、外力が加わった時の生地の破れ、擦り切れ、伸び(ダレ)、変形など、一定の生地強度基準に満たない場合にダメージが発生します。
又、洗濯は水による収縮(寸法変化)や変色、移染、汚染、黄変など染色堅牢度が基準を満たしていないと問題が発生します。
このように、着用後にクレームにならないように商品の企画の段階で、生地の厚さ薄さ、デザイン、用途、機能性を考慮して、クレームが出ないように各種の試験を行います。


ではどのような試験方法があるのか見ていきます。

1,物性試験

物性試験とは、生地を引っ張ったり、ねじったり、圧縮したり、生地が皮膚や生地がこすれたりする外力に対する抵抗力を測定する試験です。


1-1 引張り強さ試験(IS L 1096)

「引張強さ試験」とは、織物を引っ張った際の破断する強度を評価するものです。

引張試験機を使用し、縦と横に生地を引っ張り、生地が破れた時の圧力を測定します。

1-2 引裂強さ試験(JIS L 1096)

「引裂強さ試験」とは、織物を引き裂いた際の破断する強度を評価するものです。

引裂試験機を使用し、生地の縦と横に小さく切れ目を入れ勢いよく引き裂き、生地が裂けた時の圧力を測定します。

1-3 破裂強さ試験(JIS L 1096)

「破裂強さ試験」とは、「編地の破裂に対する強さ」を評価するものです。

破裂試験機を使用し、生地に圧力をかけていき、生地が破裂した時の圧力を測定します。
試験対象品はニット類です。

1-4 摩耗強さ試験(JIS L 1096)

織物及び編物が擦られる動作に対してどれだけの耐久性を持っているかを計る試験です。
 
1-5 滑脱抵抗力試験(JIS L 1096)

縫目を作製した試験片を、縫い目を中心に所定の力で引っ張り、縫目から生地が滑脱した長さを測定する試験です。

1-6 ピリング試験(JIS L 1076)

セーターなどにできる毛玉(ピル)は、着用中や洗濯処理時の摩擦作用が原因です。摩擦などの物理的作用を受けて繊維の先端が生地表面に出てきた後、その毛羽が互いに絡まり合い、毛玉(ピル)となるのです。
毛玉(ピル)を生じた状態のことをピリングといいます。ピリング試験は「擦れ作用による毛玉のできる度合い」を評価するものです。

1-7 スナッグ試験(JIS L 1058)

「スナッグ試験」とは、「引掛け作用により、糸が突出・引きつれを起こす度合い」を評価するものです。
偶発的な引っ掛かりにより、繊維・糸が生地表面から突出し、引きつれなどを起こす現象をスナッグ(スナッギング)といいます。

1-8 パイル保持性試験(JIS L 1075、カケン法)

織地や編地の基布にパイル糸を挿入した生地に対して、パイル糸が脱落しないかどうかを評価する試験です。
試験対象品 コーデュロイ、コール天、別珍、ベルベット、ベロア

1-9 目寄れ試験(JIS L 1062)

「目寄れ試験」とは、織物の目寄れの程度を評価する試験です。目寄れとは、織糸が本来の組織からずれてしまうことを指し、織り密度の粗い生地に生じやすい現象です。

2、寸法変化率試験

寸法変化率試験とは、家庭洗濯やクリーニングやアイロンなどにより、生地が収縮したり、伸びたりしたかを測定する試験です。
試験方法は条件によりさまざまな試験方法があります。



2-1 浸せき寸法変化率(JIS L 1096)

浸せき寸法変化率とは、織物や編物を溶液に一定時間浸せきし、脱水、乾燥した後の寸法の変化を百分率で示したものです。
プラス(+)の数値は元の長さより伸びた割合、マイナス(-)の数値は元の長さより縮んだ割合になります。

2-2 洗濯試験機寸法変化率(JIS L 1096 E法)

洗濯試験機寸法変化率とは、織物や編物を洗濯試験機(JIS L 0844規定)にて洗濯し、脱水、乾燥した後の寸法の変化を百分率で示したものです。
プラス(+)の数値は元の長さより伸びた割合、マイナス(-)の数値は元の長さより縮んだ割合になります。

2-3 プレス寸法変化率(JIS L 1096 H法)

プレス寸法変化率とは、繊維製品の仕上げに用いるプレス処理やスチーム処理を行った後の寸法の変化を百分率で示したものです。
プラス(+)の数値は元の長さより伸びた割合、マイナス(-)の数値は元の長さより縮んだ割合になります。

2-4 ドライクリーニング寸法変化率(JIS L 1096 J法)

織物や編物をウォッシュシリンダ形洗濯試験機にてドライクリーニングし、脱液、乾燥した後の寸法の変化を百分率で示したものです。
プラス(+)の数値は、元の長さより伸びた割合、マイナス(-)の数値は、元の長さより縮んだ割合になります。

3,染色堅牢度試験

染色堅ろう度試験とは、染料などで染色された生地の染色の丈夫さ(抵抗性)、いわゆる「色の変わりにくさ」や「色落ちのしにくさ」を見るものです。染色堅ろう度には、「変退色」と「汚染」があります。


3-1耐光堅ろう度試験(JIS L 0842、JIS L 0843)
「耐光堅ろう度試験」とは、光の作用による色の変化の程度(変退色)を評価するための試験です。光には、色褪せを引き起こす作用があります。
天気や季節によりは明るさ、まぶしさが異なるなど、太陽光では光の条件を一定に保てません。そのため、人工的な光源を使用して光の作用の程度を一定に保ち試験を行っています。
主に紫外線を照射する紫外線カーボンアーク灯光(JIS L 0842)と、太陽光に近い光を照射するキセノンアーク灯光(JIS L 0843)の2種類があります。
日本国内は紫外線カーボンアーク灯光が主流で、海外はキセノンアーク灯光が主流です。

3-2 洗濯堅ろう度試験(JIS L 0844)

「洗濯堅ろう度試験」とは、家庭での洗濯の作用による「色の変化の程度(変退色)」と「他の洗濯物への色移りの程度(汚染)」を評価する試験です。

3-3 ドライクリーニング堅ろう度試験(JIS L 0860)

「ドライクリーニング堅ろう度試験」とは、ドライクリーニングの作用による「色の変化の程度(変退色)」と「他のクリーニング物への色移りの程度(汚染)」を評価するものです。

3-3 汗堅ろう度試験(JIS L 0848)

「汗堅ろう度試験」とは、汗の作用による「色の変化の程度(変退色)」と「重ね着した他のシャツなどへの色移りの程度(汚染)」を評価するものです。
人間の汗には様々な成分が含まれています。それらの成分と体温の熱等の作用により、染色された衣料品の色が変わったり下着などに色移りすることがあります。

3-4 摩擦堅ろう度試験(JIS L 0849)
> 「摩擦堅ろう度試験」は、重ね着などの衣料品同士のすれ作用による「他への色移りの程度(汚染)」を評価するものです。

4 機能性評価

機能性評価とは、暖かさ(保温性)や水をはじく力や通気性などの項目が有り、有効性を測定する試験です。


4-1 保温性試験(JIS L 1096・ASTM D 1518)

熱の逃しにくさを評価する試験です。衣服の断熱性を高め伝熱量を小さくするこの性能を、保温性と呼びます。

4-2 はっ水性試験(JIS L 1092)

はっ水(撥水)性とは、水をはじく性質を意味します。はっ水性試験は衣料品や傘など、水をはじくことによって防水性能を評価する試験です。
レインコート等の製品については、家庭用品品質表示法 繊維製品品質表示規程によりはっ水性の表示方法や性能が決められています。

4-3 耐水性試験(JIS L 1092、ISO 811など)

試料に水圧をかけた時、どの程度で水が染み出すか評価する試験です。水圧への耐性を「耐水性」と呼びます。なお防水性とは、はっ水性(水をはじく性質)と耐水性(水の通過や浸透に対するの抵抗性)の総称のことです。

4-4 透湿性試験(JIS L 1099)

水蒸気の通しやすさを評価する試験です。

試験対象品 レインウエアー、スキーウエアーなど

4-5 消臭性[SEK基準(機器分析・官能試験)/ ISO 17299-2, -3(機器分析)

「消臭性」は繊維の周りの臭気成分の濃度を低減することにより、においの強さを軽減する機能です。臭気成分を吸着したり、化学反応または分解して臭わない物質にすることなどで濃度を低減させています。

4-6 抗菌性・繊維製品(JIS L 1902・ISO 20743)

JIS L 1902(ISO 20743)で規定されている抗菌性繊維製品の評価方法の一部をご案内します。菌液吸収法は定量(どの程度あるか)試験、ハロー法は定性(あり/なし)試験です。

4-7 抗ウイルス性・繊維製品(JIS L 1922・ISO 18184)

繊維製品の抗ウイルス効果を評価する試験です。

4-8 紫外線遮蔽性(JIS L 1925)

繊維製品における紫外線遮蔽性試験はJIS L 1925では、紫外線遮蔽率の測定方法とUPF(紫外線防護係数)の測定方法が規定されています。
試験に用いる紫外線の波長領域は290~400nm、UPF格付け値は10段階(UPF50+、UPF40 など)で表されます。

5,安全性

人体に影響を与える安全性を評価する試験です。特にアメリカでは、可燃性織物法(Flammable Fabric Act:FFA)という連邦法により、燃えやすい素材を衣料品に使うことが禁止されているほか、子ども向け製品に対する化学物質の規制があります。/span>


5-1 表面フラッシュ試験 (JIS L 1917)

起毛を施した衣料品等に着火すると、炎が毛羽から毛羽へ急速に伝播し生地表面を炎が走るような現象が生じることがあります。
これを「表面フラッシュ」と呼びます。毛羽は体積の割に表面積が大きく、空気との接触面積が大きいため、着火すると瞬時に完全燃焼します。炎は透明に近いので明るいところでは、ほとんど目立たず、気付くのが遅れると地組織にまで延焼し、思わぬ事故を招くことになります。
対象商品 ホームウエアー、パジャマ 等

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試験機関について

主な試験機関は下記の通りです。
特に中国や東南アジアなどに、実験施設を設けておりますので、現地ですぐに対応できますので、時間的メリットがあります。

一般財団法人カケンテストセンター https://www.kaken.or.jp/test

一般財団法人ボーケン品質評価機構 https://www.boken.or.jp/

一般財団法人日本繊維製品品質技術センター(QTEC) https://www.qtec.or.jp/

一般財団ケケン試験認証センター https://www.jwif.org/service/list/ 

株式会社 生活品質科学研究所 https://www.riql.jp/company/

その他、公立繊維工業試験場等