日英中べトナム縫製・5S・改善用語翻訳

Translation of Japanese,English,Chinese,Vietnamese,
sewing,5s,kaizen terms

SDGsの取り組み

MESSAGE

持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,
2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された,2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。
17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。

アパレル業界とSDGsとの関係性

1.環境問題
服の素材の綿花栽培に使われる大量の農薬(化学物資)や、廃棄する際の焼却処分で排出されるCO2による環境問題は深刻です。
その課題に取り組むべく、アパレル業界では無農薬の綿花栽培(オーガニックコットン)を使用したり、リサイクルや環境に配慮した素材開発に取り組む企業が増えてきています。

2.労働問題
多くのアパレル企業が途上国への仕事提供に貢献していますが、労働コストを削減することで安価な服の販売を実現しているため、労働問題が深刻化しています。
近年では労働環境や長時間労働など、労働者の基本的な人権が守られることも重要視されており、多くのブランドが、労働者や環境に配慮した生産様式に移行しています。

3.大量生産・大量消費
アパレル業界は、大量生産・大量消費を行う企業が多く、日本だけでも1年間で10億着を軽く超える衣服が廃棄されている余剰在庫が問題視されています。
近年では企業や消費者の「SDGs」への理解の高まりで、生産量のコントロールやリサイクル、オフプライスストアが注目されるなど、様々な取り組みがなされており、今後の目標達成に期待されています。

縫製工場という立場から上記の事を考えますと、2の労働問題と3の大量生産・大量消費が該当致します。

労働問題は、いかに、労働者や環境に配慮した生産様式に変更していくかということになります。
現実問題として、労働条件や環境を良くして行くには、コストが掛かります。そのコストを吸収するためには生産性を上げることしかできない事になります。
海外工場で生産性を上げるためには5Sの教育から進めていかねければならないと考えております。
今まで、多くの工場を見てきて、生産性は日本の企業に比べて、大幅に低いです。この差は5Sの思想(ムダを見つけムダを無くす)を社員が理解しているかしていないかの差であると思います。
実際に、私が海外工場で5Sの教育をして、生産性が半年くらいで30%くらい上昇しています。
5Sは国民性に関係なく、受け入れられると確信いたします。但し、強制はダメです。皆に考えさせることです。
社員が全員、ムダを無くすという知恵が付いたら、必然的に、ムダが無くなる分、生産性は向上します。

又、エネルギーのムダのない効果的な活用についても、5Sを理解することにより、どこにムダがあり、どうすれば改善できるかわかるようになります。エネルギーのムダはCO2のムダの排出です。
現状の海外縫製工場には蒸気の配管エネルギーロスなどが大変多いです。
配管に適切なトラップの取り付けや配管にグラスウールなどの断熱材のカバーの取り付け、バルブのカーバーで大幅に熱損失を防ぐことが可能です。
この2点だけでも、労働問題と環境改善が図れると思います。


大量生産と大量消費については、販売側の要素の方が多いのですが、工場を豊田生産システムのジャストインタイム(必要な物を、必要な時に、必要な量だけ生産する)に変えることにより、
最初に大量に作らないで、店舗の売れ行きに応じて、細かく発注していく方式に変更できると思います。 しかし、アパレルでジャストインタイムは大変難しく、縫製仕様書の精度、パターンの精度、最低でも5Sが理解されていること、生地のチェック(素材管理)ができること、作業標準ができていること、が必要です。
なぜなら、ジャストインタイムは工程の仕掛りを大幅に縮小し、納期短縮するわけですが、工程にトラバルが発生すると、ラインストップが発生し、トラブル解消まで、全ライン停止します。
ジャストインタイムはメリットも大きいが、デメリットも大きいので、導入は慎重に進めるべきである。
先ず、5S、素材管理、標準作業から入って、管理者、作業者が理解できてから1,2年後位から、豊田生産システムにシフトを変更するというスケジュールで良いと思います。

現在、アパレルブランドメーカーでSDGsに積極的に取り組んでいる企業は下記のメーカーがあります。

1,ユニクロ
2,無印良品
3,パタゴニア
4,ザ・ノース・フェイス
5,アーバンリサーチ
6、ヌーディー・ジーンズ
7,ZARA
8,日本環境設計(ポリエステルリサイクル)
9,H&M(布地リサイクル)
10,GreenN Down project(羽毛循環社会)
11,ワコール(ブラリサイクル)
などがあります。各社のホームページからご確認ください。

最後に、環境省のサステナブルファッションをリンクいたします。アパレル産業がいかに環境負荷の大きい産業かがわかります。
環境省サステナブルファッション

これからも、SDGsの導入事例などを定期的に掲載していき、アパレル分野のSDGsを進めていく上でのプラットフォームにしていきたいとたいと思います。


SDGsに積極的に取り組んでいます企業を応援しています。
下段の企業のホームページをクリックして、サスティナブルのサイトもご確認してみてください。



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